学会概要

 

会長挨拶

新時代のバイオインフォマティクス学会の

発展に向けて

日本バイオインフォマティクス学会 会長

浜田 道昭

2025年4月7日

 

この度、2025年4月1日より日本バイオインフォマティクス学会の会長及び理事長を拝命いたしました浜田道昭でございます。

 

歴代の会長・理事長・理事・幹事の多大なる貢献及び会員の皆さまの多大なサポートにより、本学会は着実に発展を遂げ、会員数も順調に伸びてきております。実際、2024年度末時点において、会員数1184名(正会員868名、学生会員311名)、賛助会員数21機関に到達いたしました。特に、直近の会長であった五斗先生、山西先生が築き上げてきた強固な基盤に心より感謝申し上げます。

 

皆様ご存知の通り、「バイオインフォマティクス」ということばは、生命科学の研究者であれば誰もが認知するものとなっています。その結果、近年では、生物学、生命科学、医学、薬学などの各分野において、人工知能(AI)に代表される情報科学の活用が当たり前のように行われるようになってきました。このような時代の変化の中で、バイオインフォマティクス学会が他の多くの関連学会の中でどのような立ち位置を取るべきかは必ずしも自明ではないと感じております。他の学会には無いバイオインフォマティクス学会らしさを育成し全面に押し出しながらも、関連学会との連携も模索し、企業、研究者、学生すべてにとって魅力ある学会を目指していきたいと考えております。

 

基本方針

これからの2年間、以下の方針に基づいて学会運営を行ってまいります:

 

1. 裾野を広げる活動の強化 

特に若手研究者・技術者へのサポートを手厚くし、次世代を担う人材の育成に注力します。産学連携を促進し、学生・研究者と企業を繋ぐようなイベントの企画などを推進していきたいと思います。

2. 学術的深化の推進 

上述のバイオインフォマティクス学会らしさとして、情報科学の専門家を多く有する学会として、教科書に載るような高度かつ波及効果の高い方法論の研究開発を積極的に進め、学術的価値の創出に貢献します。

3. 実験科学と情報科学を繋ぐ架け橋

異分野融合を促進し、新たな研究領域の開拓を支援します。実験科学がメインの方と情報科学がメインの方双方にとってwin -winとなる学会を確立し、本学会を通して多くの共同研究が生まれるようにしていきたいと思っています。             

4. 体系的な学習環境の整備

バイオインフォマティクスという学問は今や膨大な分野の集合体となっており、全ての内容をフォローすることが非常に難しくなっ てきています。これらを少しでも解消するためのコンテンツを、初学者にもアクセスしやすい形で提供します。例えば、学会で提供しているJSBi Bioinformatics Reviewは、バイオインフォマティクスの各分野の最先端の内容がわかりやすくまとめられており、年間10万件以上のアクセスがあります。今後もさらなるコンテンツの充実を推し進めていきたいと思います。並行してバイオインフォマティクス技術者認定試験の運営も精力的に行い、さらに魅力のある資格へと発展させることを目指したいと思います。             

5. 事務局機能の強化

会員数増加に対応した持続可能な学会運営体制を構築し、バイオインフォマティクス技術者認定試験や年会などを安定的に運営するためには、学会事務局機能の強化が必須であると考えています。中長期的な視点から事務局機能を強化していきたいと考えています。

             

 

運営方針

年2回開催される理事会においては丸一日近くの時間をかけて活発な議論が行われていますが、今後は理事会のみならず、定常的に理事・幹事の先生方と綿密なコミュニケーションを取り議論をする機会を増やしていきたいと考えております。また、限られたリソースの中で最大の効果を発揮するため、メリハリのある投資を行ってまいります。まずは国内での基盤を強固なものとしつつ、国際的な視点も持ちながら学会活動を展開していきたいと思います。

 

会員の皆様へのお願い

これらのビジョンを実現するためには、会員の皆さまからの忌憚のないご意見やご提案がとても大切です。学会をともに築き上げていく仲間として、積極的なご参加とご協力をお願い申し上げます。特に、年一度の総会は会員の皆様とコミュニケーションを取るための重要な機会であると考えておりますので、年度末の忙しい時期であるとは存じますが、積極的なご参加をお願いいたします。参加が難しい場合でも、委任状を提出する際に、学会へのご意見を受付することが可能となっておりますので、ぜひご記入をお願いいたします。皆様からいただいたご意見は理事会で共有し、今後の運営の参考にさせていただきたいと思います。

 

これから2年間、日本のバイオインフォマティクスのさらなる発展のために全力を尽くしたいと考えておりますので、引き続きのご指導・ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い致します。

 

 

過去の会長挨拶

 
 
 

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